「慣れていないとバスに乗るのは難しいですね」とは、ツアーガイドの一言葉だ。
この夏、初めてソウルを訪れた。あふれるハングル文字、エネルギッシュな人々、そして焼き肉にキムチ。鶴橋のコリアンタウンで慣れていたものの、本物は迫力が違う。
何に驚いたってものすごいスピードで他の車を圧倒し走るバスの姿にだ。観光客向けの模範タクシー以外のタクシーは相乗りが普通というのだから、運送量がものをいうのかもしれない。
韓国に住む知り合いにつれられ、そのバスに乗ることができた。
バス停でじっと待っていてもバスは止まらない。乗りたいバスが来たら、積極的に前に出て乗る意志を明確に示し止まってもらう。
バスに乗り込んだらすぐに座ること。デコボコになっている道路を相当のスピードで走るため、その揺れ方はものすごい。急発進、急ブレーキも多々あり、立っていることは危険の一言だ。座ったからといってのんびりしていられない。今度は降りるバス停を見つけるため車窓に目をこらす番だ。目標のバス停を見つけたら、素早く降りる意思を表示する。とにかく自己主張が一番大事。私は出会わなかったが、これに客のわがままが加わる。バス停でないところで降ろせ、スピードをもっと出せ、いやもっとゆっくり走れなどなどトラブルが絶えないらしい。
日本人にはない明確な自己主張に驚き、そして緊張したバス体験。これがこの旅での一番の収穫かもしれない。
(西村ぴいこ)
2000 10 29
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