テレビの前で釘付けになった人が多かったに違いない。私自身は職場にいたので、その瞬間を見ることができなかったが、夜遅く、ニュースのVTRを見たとき、何とも言えず胸が熱くなった。その瞬間とは金大中韓国大統領と金正日労働党総書記の固い握手の瞬間だ。
それは、民族分断の長い歴史に終止符を打ち、同じ未来を模索するための入り口に立った瞬間てもある。
当事者はもちろん、民族統一を願い民主化闘争にかかわってきた日本人にも、この出来事は感動を呼び希望を与えた。まだ十代の頃、街頭に立ち在日韓国政治犯救援の訴えをしていた私は、政治的な意味はよく分からなかったが、スパイにでっちあげられ政治犯として獄中につながれなければならないこと、人間が人間としての当たり前に生きる権利が奪われてしまうこと対し、怒りを感じていた。そんな私たちの唯一の希望だったのが、あらゆる弾圧にも屈することなく南北統一と民主化を掲げ、闘いを挑み続ける金大中さんの存在だった。
電話の向こうの季哲さんの声が弾んている。「心が熱くて熱くて、冷めないんです。この思いをみんなで分かち合いたい」。かつて政治犯として獄につながれた経験を持つ李哲さん。彼の感動が電話を通じて心に広がる。良かった。本当におめでとう。
まだまだ、統一への道のりは長い。しかし、踏み出した歩みは必ず前へと進む。これまで以上に期待を込め朝鮮半島を見つめ続けたい。
(西村ぴいこ)
2000 7 21
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